第74回ICB講演会:「途上国の現場からのエビデンス:世界をより健康にするために」

次回ICB講演会には、開発途上国の医療の現場でお仕事をされた蜂矢正彦氏にお越しいただきます。
開発途上国の最前線で先生がご経験されたことをを中心にお話しいただく予定です。
皆様のご参加をお待ちしております。

講演会の概要

【日時】2018年7月17日(火)19:00~20:45
【場所】東京都千代田区神田錦町3-21
千代田プラットフォームスクウェア(http://yamori.jp/access)
【参加費】ICB会員1000円、非会員2000円。※学生は無料

講演要旨

大学を卒業後、病院を中心に臨床小児科医師として13年間働きました。この間実験室でウイルスのDNAを研究したり、小児科医が不在の地区で働く機会がありました。いろいろな経験を通して、患者さんの診断・治療には基礎研究を学ぶこと、社会について知ることが重要だと意識し今に至ります。
その後興味のあった開発途上国で働くことになりました。モンゴルでJICAの予防接種事業に携わった際、偶然にも麻疹(はしか)大流行に遭遇し、「なぜ予防接種をしているのに流行が起こったのか」「どうすれば大流行が防げたのか」、モンゴルの官僚や世界の専門家たちと議論しました。大流行の原因を解明して、2度と起こらないようにしたい、という気持ちで大学院に留学しました。
これまで約20ヵ国で仕事しましたが、開発途上国の現場を歩き回るといつも発見があります。その発見が一部の国や地域だけではなく、途上国に共通する課題であれば、共通する解決法があるかもしれません。途上国のフィールドでエビデンスを積み重ね、より良い政策作りに貢献し、その結果世界の人々がより健康になれば、という思いで活動しています。

講師略歴

1989年 東邦大学医学部卒業。東邦大学医療センター大森病院で小児科研修。総合病院、診療所、保健所で予防接種、臨床に従事しつつ、伊豆大島、根室市で小児科無医村を経験。
2002年 モンゴルでJICA予防接種事業に5ヵ月間携わり、公衆衛生の面白さに目覚める。
2003~2005年 ハーバード公衆衛生大学院留学、マサチューセッツ州保健局勤務。
2006年 国立国際医療研究センターに入職、以後アジア、アフリカで公衆衛生事業、研究に従事。

最近の主な論文

1. Kitamura T, et al. Assessment of temperatures in the vaccine cold chain in two provinces in Lao PDR: a cross-sectional pilot study. BMC Res Notes 2018: 11; 261ワクチンの輸送中に温度を測定したところ、予想外に高温や低温に曝されていた
2. Hachiya M, et al. Evaluation of nationwide supplementary immunization in Lao PDR: Population-based seroprevalence survey of anti-measles and anti-rubella IgG in children and adults, mathematical modelling and a stability testing of the vaccine. PLoS One. 2018 29: 13; e0194931
麻疹風疹混合ワクチンの効果を調べたところ、麻疹の免疫がついていなかった
3. Komada K, et al. Seroprevalence of chronic hepatitis B, as determined from dried blood spots, among children and their mothers in central Lao PDR: A multistage, stratified cluster sampling survey. Int J Infect Dis 36: 21-26; 2015
B型肝炎の有病率は従来考えられていたより低く、成人で4.1%、小児で2.1%であった

懇親会について

講演会終了後には懇親会を行います。
近場の飲食店にて講師をお招きし、ざっくばらんな会話を楽しめる時間となっておりますので、ぜひご参加下さい。
※費用は飲食費代の実費です。
※講師のご都合によっては、講師抜きでの開催となる場合もございます。

主催

国際人材創出支援センター(ICB)
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