ICBコラムVol.7:道なき道を開拓していくエネルギーを持て(西村 訓仁 様)

こんにちは。ICB事務局です。
コロナウイルスの影響もようやく落ち着くやと思いきや、新たな変異株が猛威を振るいそうな気配も出てきた今日この頃ですが
みなさまいかがお過ごしでしょうか。

ICBコラムVol.7
今回はICBの柏木理事からのご紹介で、外資系企業でのご勤務経験豊富な西村訓仁さんから寄稿頂いたコラムを掲載します。
西村さんはICBの活動に共鳴して頂き、これまでのご自身のご経験を踏まえて、ご自分の道をどのような考え方で切り開かれてきたかについて皆さんへの熱い応援メッセージとして寄せて下さいました。是非ご覧ください。

道なき道を開拓していくエネルギーを持て

西村訓仁

自分のキャリアを簡単に振り返る

私は若いころから「普通の就職」というレールから外れ、海外の企業で自分を試したいという気持ちがありました。折から、70年代の石油ショックによる国内の就職難もあり、海外の企業で自分を試したいという思いが強くなりました。

そのため、ニューヨークでの銀行勤務を皮切りに、ソシエテジェネラル(当時、フランス国立銀行の一つ)東京支店及びドイツ銀行東京支店に勤務しました。その後、ドイツ銀行のフランクフルト、ロンドン、アムステルダム、ブラッセルでの海外勤務を経て、帰国してからはインフォーマ(イギリスの金融・IT・医学のインテリジェンス企業)の日本法人代表取締役社長をさせて頂き、外資系金融や企業で働く経験を重ねてきました。

現在は日本の企業グループの社外取締役を務めていますが、今から思うと20代から50代、特にドイツ銀行に勤務していたころは、英国を始め、欧州大陸を飛び回り、大変刺激的な仕事を多くさせて頂きました。

本稿では、こうしたキャリアのいろいろな場面で、自分はどんな考え方で臨み、道を切り開こうとしたのかについてお話ができたらと思います。今まさにキャリアを開拓中の方々、あるいは、これからチャレンジするという方々に少しでもお役に立てましたら幸甚です。

勿論、私と同年代の方々の中には国家に貢献したというような立派なキャリアをお持ちの方も大勢おられると思います。私のストーリーはささやかな一例に過ぎません。

転職の際に持ち続けた自分なりのルール

私の経歴は、一つの組織で生涯を過ごすのが当然であった私の父親の世代からみたら「転職=転落人生」と写っていたようです。私が自分の転職の報告をするたびに、父は非常に心配そうな表情でした。

今は日本企業の価値観も変容して、企業側も年功序列を見直し、終身雇用制度などを廃止し、労働市場の移動もかなり柔軟となり転職も当たり前となりました。父のような考え方は明らかに古いのかもしれませんが、父は信念とか方向性のない成り行きの転職を危惧していたようです。

そこで、私は転職の際に自分なりのルールを定めていました。そのルールは転職を重ねる中で、自分の強みなどを考えることに役立ったと思います。自分を支え続けた機動力はありきたりですが「向上心」と自分で定めたルールだったと思います。そのルールというのは以下の5点でした。

第一に、転職を通じて「実現したいこと」を考える。

第二に、理想が高いと言われても常に「自分の将来ビジョン」を持つ。

第三に、チャンスが来たら迷わず掴む。

第四に、困難や不安に直面したら「考え過ぎず」時に「感情を持たず」前に進む。

第五に、自分の知識を広げるための自己投資を継続する

自分のこれまでのキャリアを振り返ってみると、第一の点は海外で働くことでした。第二の点は、欧米人のいるチームの中で、コーディネーターになりたいということでした。第三の点は、仕事のヘッドハンティングを受けた時、海外勤務のチャンスをつかんだ時、インフォーマの代表取締役社長のオファーを受けた時などがそうでした。それが自分の考える方向に合うものなら、多少の理想と差異があっても挑戦することにしてきました。

第四の点は、自分のやや楽観的で思い悩まない性格に関係するかもしれませんが、仕事においても、人間関係においても、困難に直面し痛みや迷いを感じることがあります。考えすぎたら、脳のコントロールが効かず、思考の拡がりや深みにはまり大変です。ひどい時には鬱病になることもあるかもしれません。この「感情を捨て去る方法」は恐れや不安を乗りこえるコツかと思います。

なかなか自分でスケジュールを支配できないこともありますが、ジムで運動をしたり散歩したり買い物をして気分を変えることが大事な時もあります。強い心構えを持って、涼しい顔で困難を乗り越えることができればいいのですが、そうでない場合は、ほどほどの成果でも満足し精神的な危機を招き入れないことも必要かもしれません。

第五の点は、自分では非常に重要だと考えていることですが、自分の知識や理解が足りないと感じたら、セミナーを受けるとか、書籍を購入して勉強するとか、それを補うため少し節約して自己投資を多少の無理をしてでも続けてきました。例えば、会社の援助に頼るのではなく、自費で大西洋をまたいで米国の勉強会に参加したり、良い人脈を形成するために、自分から率先してセミナーや会合に出席するように努めたり、です。外資系で必要な語学力も、私などよりずっと知識も教養もあるネイティブスピーカーのビジネスパーソンや外交官の方と接する機会を積極的に求め、臆面もなく話しかけて、できるだけ質の良い実践的なレッスンを受けるように努めました。

慎みと大胆さと勇気をもって前進する楽しさ

その他、優秀な上司、知的で楽しい仲間などいろいろな方にインスピレーションを受け、助けられてきました。また、多少運も良かったのかもしれませんが、ルールに基づいて夢を持ち続けたことで自分の道が開かれた部分もあろうかと思います。

たとえ転職で失敗して無駄な時間を過ごしたと思えても、人生において無駄な経験や失敗というものはありません。向上心をもって前進を続ける限り、必ずやそこで得たことが将来の成功につながるものです。

また、国際舞台において、日本人には品格を重んじ、慎みや遠慮を尊ぶという美徳もあろうかと思います。しかし、中国や韓国を始めとした他のアジアのビジネスパーソンと遭遇した時、日本人の美徳を維持しながらも、時には大胆に勇気をもって意見を述べるなど対応することが必要な時もあるかもしれません。

そして、そのような状況をできるだけ楽しむ余裕が持てるよう日々心構えを持って仕事や生活することが大切だと思います。

読者の皆様の益々のご健闘ご健勝をお祈りいたします。

西村訓仁(にしむら くによし)

いくつかの外資系金融機関勤務を経て、2000年より約18年間に亘り英国ロンドン株式市場上場企業であるインフォーマの日本現地法人代表取締役社長及び日本でのオペレーションを統括するジャパンカントリーマネージャーを務めた。(インフォーマはロンドンシティで最古の船舶保険金融の情報会社としてスタート。)その後2019年より、東証マザース上場のコンサルティング型IT広告企業イーエムネットジャパン(ソフトバンクグループ)で社外取締役常勤監査等委員。経営チームのメンバーとしてコーポレートガバナンス及び企業価値向上の職務に取り組んでいる。早大政経学部経済学科卒。

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