第85回ICB講演会:「途上国を見る目をどう養うか?:基礎の基礎編」
6月度講演会には、開発援助関係の国際機関勤務経験が豊富で、その世界ではプロ中のプロとも言える 小寺 淸 (こでら きよし) さんにお越し頂きます。
小寺さんは大蔵省(現財務省)でほぼ一貫して国際畑を歩み、世界銀行をはじめ三つの国際開発金融機関に在籍されました。特に、世界銀行においては中央アジア局長を務められた他、日本人として初めて世界銀行・IMF合同開発委員会の事務局長(兼世界銀行副官房長)に就任され、世界の財務・開発大臣が出席する会議での意見の取りまとめにあたる職にも就かれていました。通算15年に亘る海外勤務を終えられ、日本で国際協力機構(JICA)理事も務められ、現在は国際NGOに貢献するとともに英国の研究機関の客員研究員もされています。
小寺さん自身、ご自分の職業人生を振り返り、ジェネラリストではなく、ほぼ40年にわたり開発援助・開発金融の分野に特化し、国内外の様々な組織で仕事をすることが出来たのは極めて幸運であったと述べられています。
今回のICB講演会では、このような小寺さんから2部構成でお話を伺おうと企画しています。前半では、途上国への支援にあたって 「バイ」 と 「マルチ」 の立場はどう違うのか、我が国の援助には何が期待されているのか、どのようにそれに応えるべきか、国際会議の舞台裏ではどのようなやり取りが行われているのか、国際機関で昇進するにあたってはどのようなチャレンジがあって、どのようにそれを乗り越えてきたのか等々、ご自分の苦労談、失敗談を含め、実践的な体験談を語って頂きます。
また、後半においては、ご自分の体験を踏まえ、若い方がこれからのグローバル化された人生の舞台でキャリア形成をしていく際、何が必要なのかについて語って頂きます。特に、若い方に是非知っておいてもらいたいという 「途上国を見る目」 をどのように養うのかというテーマについて、基礎的なポイントを解説して頂きます。
将来的に開発援助の世界を職場として考えておられる方々もちろん、グローバルな場での活躍を目指している方にとっては必見の貴重な機会になると思います。是非奮ってご参加ください。
講演会の概要
〈日時〉 2019年6月5日 (水) 19:30~21:30
〈場所〉 東京都千代田区神田錦町3-21
千代田プラットフォームスクウェア(http://yamori.jp/access)
〈参加費〉ICB会員1,000円、非会員2,000円。※学生は無料
講師略歴
(NPO法人) ウォーターエイド・ジャパン理事長
兼 Senior Research Associate, Overseas Development Institute
兼 (一般財団法人) 日本国際協力システム 評議員
1952年生まれ。74年東京大学法学部卒。旧大蔵省にてほぼ一貫して国際畑を歩む。在米大使館一等書記官、アフリカ開発銀行、米州開発公社の理事、世界銀行理事代理、世界銀行中央アジア局長を歴任。2004年財務省国際局次長、2005年副財務官、2006年から2010年春まで世界銀行・IMF合同開発委員会事務局長(兼世界銀行副官房長)。2010~16年(独立行政法人)国際協力機構(JICA)理事。国連、世銀、アジア開銀等の国際シンポジウムでの議長・プレゼン多数。
2013~15年京都大学大学院特任教授。2016~2018年損保ジャパン日本興亜DC証券常勤監査役。2016年より英国・海外開発研究所上級客員研究員、(一般財団法人) 日本国際協力システム 評議員。2018年6月より現職。
主催
国際人材創出支援センター(ICB)