2016年の講演会

日付講演者所属(講演時点)演題
501/26井出 穣治日本銀行金融機構局国際機関での奮闘記ー若手日本人職員が見た国際機関の現場ー
512/15津川 清一KDDIスイスについて
523/24赤阪 清隆フォーリンプレスセンター理事長世界を相手に働くことの面白さ
534/19川本 明慶應義塾大学 経済学部特任教授私とOECD―『地球は青かった』―
545/26沼田 貞昭元駐カナダ特命全権大使世界に通用するコミュニケーション力とは?
556/22三宅 伊智朗S&P レーティングジャパン社長外資系企業でのビジネスキャリア
567/19川島 和人元ブリジストン資金部長、元ブリティッシュ・ヒルズ社長グローバルビジネスの落とし穴
579/26竹中 治堅 政策研究大学院大学 教授アメリカで学んだことで見えてくる日本の政治
5810/26尾身 茂    地域医療機能推進機構理事長、元WHO西太平洋地域事務局長国際社会での格闘を通して~国内外での経験を生かしたリーダー論~
5911/18梅原 克彦  国際教養大学 アジア地域研究連携機構 教授)アジア太平洋地域の現在と将来を地政学的に考える
6012/20松田 健司   双日ジェクト(株)常勤監査役日本を代表する真のグローバル人材―白洲次郎―

第60回ICB講演会 松田健司氏 「日本を代表する真のグローバル人材―白洲次郎―」(12月20日実施)

<講師>
松田 健司 氏(双日ジェクト(株) 常勤監査役)

<講演要旨>
戦後の混乱期、吉田首相の側近として、GHQの一方的な占領政策や憲法草案に激しく抵抗し、「従順ならざる唯一の日本人」と恐れられ、常にブレずにポジティブに生き、冷静で的確な先見力・判断力とスピーディーな実行力を持ち、日本の早期独立に奔走、貿易立国ニッ ポンの礎を築いた白洲次郎。その思想と行動力から、世界情勢が不確実性を増す中、現在及び近未来の日本は、国際社会の中でどういう国を目指すべきか、そのためには、国際社会の最前線に立つ皆さんが、どんな気概を持ち、どのような視点で世界情勢を見つめ、他国の立場を認めつつ、どのように日本の目指すべき姿を世界にアピールし、その姿を実現して行くべきかを一緒に考えました。

<講師略歴>
1974年 3月  福島大学経済学部経済学科卒
1974年 4月 日商岩井株式会社(現双日(株))入社
1998年 4月  同香港法人取締役副社長
2003年4月 日商岩井(株)とニチメン(株)が合併、双日(株)となる
双日(株)人事総務部部長
2009年10月 双日食料(株)常務取締役 職能部門管掌
2012年7月 双日ジェクト(株)常勤監査役

第59回ICB講演会 梅原克彦氏 「アジア太平洋地域の現在と将来を地政学的に考える」(11月18日実施)

<講師>
梅原 克彦 氏(国際教養大学 アジア地域研究連携機構 教授)

<講演要旨>
11月9日に実施されたアメリカ大統領選挙では、大方の予想に反して、ドナルド・トランプが当選しました。この機会に、現在の日本を取り巻く複雑かつ困難な国際情勢について解説をしていただきました。
毎日のように新聞、ニュースを賑わす日米、日中、日露、日韓、日台、日朝等々の国際問題について、ぜひ理解を深める良いきっかけとなりました。

<講師略歴>
1954年 宮城県出身
1978年 東京大学法学部卒業。通商産業省(現経済産業省)入省
1999~2002年 通商政策局地域協力課長
2002~2004年 駐米公使
2004~2005年 経済産業省通商政策局通商交渉官
2005~2009年 仙台市長
2012~2015年 国際教養大学東アジア調査研究センター教授
2015~ 同大学アジア地域研究連携機構教授

第58回ICB講演会 尾身茂氏 「国際社会での格闘を通じて~国内外での経験を生かしたリーダー論~」(10月26日実施)

<講師>
尾身 茂 氏(地域医療機能推進機構理事長、元WHO西太平洋地域事務局長)

<講演要旨>
尾身様は現在、独立行政法人 地域医療機能推進機構(JCHO)理事長を務められていますが、1999年から10年間にわたってWHO(世界保健機関)西太平洋地域事務局長としてグローバルな活躍をされてこられました。とりわけ西太平洋地域における小児麻痺(ポリオ)の根絶達成に貢献され、また、世界的に心配されたSARS(重症急性呼吸器症候群)対策において陣頭指揮をとられ、そのご活躍ぶりについては当時、新聞等でご覧になった方も多いと思われます。

高校時代にAFS交換留学生として米国に留学され、一時、慶應義塾大学法学部に在籍された尾身様は、その後、自治医科大学に進まれ、僻地医療や都立病院勤務を経て1990年にはWHOに勤務されることになります。WHO勤務は20年近くに及び、最後の10年はSARSの制圧や地域での結核対策に陣頭指揮を発揮されました。

2009年に帰国されてからは、それまでの地域医療やWHOでのご自身の現場経験をベースとして、日本での総合医の育成や地域包括ケアの推進など、我が国の医療問題をはじめ様々な問題に関しての提言を行っておられます。また、社会貢献活動として、老若男女が組織の利害やイデオロギーにとらわれずに将来の社会つくりに貢献できるよう2015年9月にはNPO法人「全世代」を設立するなどの面でも活躍されています。

今回のICB講演会では、尾身様ご自身のこれまでの人生を、
(1)WHOで働く以前の青春時代の格闘、
(2)WHOという国際舞台での格闘
(3)日本帰国後の様々な活動、
という三つのステージに分けて振り返り、それぞれのステージにおける国内外でのご自身の経験を踏まえて、これからの我が国の社会について、そしてそこであるべきリーダー論についてお話し頂きました。

これまでグローバルな舞台で大活躍されてきた方が、どのようにしてその道を探されたのか、そこではどのような楽しみや苦しみがあったのか、どのようにして様々な苦労を乗り越えてこられてきたのか、これからグローバルな活躍を目指す若い人に伝えたいことは何か等について大変興味深いお話の数々を聞くことができました。

<講師略歴>
1949年生まれ
1978年 自治医科大学卒業(一期生)
1990-98年 WHO西太平洋地域事務局にて感染症対策部長などを歴任
1999年  第5代WHO西太平洋地域、地域事務局長
2009年  自治医科大学地域医療学センター教授就任
2011年  独立行政法人 国立国際医療研究センター 理事
2012年  独立行政法人 年金・健康保険福祉施設整理機構 理事長
2014年  独立行政法人 地域医療機能推進機構 理事長に就任
主要著書に
WHOをゆく―感染症との闘いを越えて―(医学書院、2011)
医療の輪が世界を救う・矢崎義雄編「医の未来」所収(岩波新書、2011)

第57回ICB講演会 竹中治堅氏 「アメリカで学んだことで見えてくる日本の政治」(9月26日実施)

<講師>
竹中 治堅 氏(政策研究大学院大学 教授)

<講演要旨>
竹中さんは、東京大学法学部を卒業後、大蔵省(現財務省)に入省された後、米国スタンフォード大学に留学され、3年間という異例なスピードで政治学のPhDを取得されました。
その後、政策研究大学院大学に転じられ、2010年以降、同大学教授を務められています。

竹中さんは日頃から現代日本政治についてマスコミ紙上等で積極的に発言されており、新聞等でその主張をご覧になった方も多いと思います。最近では、先の参議院選挙直後の日本経済新聞経済教室欄(2016年7月15日)において「参院選をどう読み解くか―首相、政治資本活用を誤るな」が掲載されています(※HP掲載)。その他、竹中さんの研究・関心事項を示す著書としては「戦前日本における民主化の挫折」(木鐸社 2002年)、「首相支配-日本政治の変貌」(中公新書 2006年)、「参議院とは何か 1947-2010」(中央公論 2010年 大佛次郎論壇賞受賞)、「Failed Democratization in Prewar Japan 」(Stanford University Press 2014年)が挙げられます。

今回のICB講演会では、官僚経験、海外留学を経て政治学者の道を進んだ竹中さんから、アメリカの留学経験を踏まえて現代日本政治の現状を分かりやすく解説して頂きました。
アメリカの大学教育、特に社会科学教育の強みは何か?それに比べて日本はどうか?
外国の政治を見て見えてくる日本の政治の特徴は何か?その強み弱みはどこにあるのか?
グローバル競争が増す中で日本の政治の課題は何か、等々の諸問題について、海外経験のある若手政治学者ならではの興味深いお話の数々を聞くことができました。

国際的観点から日本の政治を見てみたいと思っている方や日本の政治について日頃から何か言いたいと思っている方のみならず、より広く、米国での大学教育について関心をお持ちの方々にとっても大変参考になる講演となりました。

<講師略歴>
1993年 東京大学法学部卒業、大蔵省(現財務省)入省
1995年 米国スタンフォード大学政治学部博士課程留学
1998年 同大学よりPhD(政治学)取得
1998年 中央省庁等改革推進本部事務局
1999年 政策研究大学院大学助教授
2007年 同大学准教授
2010年 同大学教授 (現在に至る)

第56回ICB講演会 川島和人氏 「グローバルビジネスの落とし穴」(7月19日実施)

<講師>
川島 和人 氏(元ブリジストン資金部長、元ブリティッシュ・ヒルズ社長)

<講演要旨>
私はメーカー(ブリヂストン)に30年勤務しましたが、その間に海外勤務を通算14年間経験しました。また、国内勤務の時も常に海外事業に関与する立場にありました。そのような流れのなかで、常に外国との異文化の違いによる戸惑い、外人コンプレックスによる交渉や運営の不徹底、語学力と社交性の不足によるコミュニケーション不足などに直面してきました。

また、日本企業がアメリカという先進国で注意しなければならない最大のカントリーリスクとはなにか、を深刻に考えさせられる経験も致しました。

昨今、グローバル化の波に乗じて、海外進出、M&A、ビジネス異文化などに関する書物が数多く出版されていますが、今回は私の実体験に基づく裏話的な出来事を含めながら日本企業の弱点、陥りやすい過ちや誤解などについてお話いただきました。

<講師略歴>
学習院大学法学部卒
Hanover College (USA) Business Administration 卒
1972年 株式会社ブリヂストン入社本社経理部配属
在勤中アメリカ、カナダ、豪州子会社勤務(通算14年間)
最終職歴:資金部長 (Treasurer)
2003年 株式会社ブリティッシュ・ヒルズ入社
代表取締役社長&CEO(10年間)、取締役会長(2年間)
2015年 退職

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